【158冊目】神、この人間的なもの―宗教をめぐる精神科医の対話
神、この人間的なもの―宗教をめぐる精神科医の対話
なだ いなだ (著)
神は本当にいるのか?現代を新しい形の宗教に呪縛された時代と見ながら、教義や信仰のあり方からではなく、「信じる」ことを求めてしまう人間の方から、宗教とは何かを考えていく。
「(・・・中略・・・)神は死んだ。科学によって殺されたのだと思う。(・・・中略・・・。)」
「そして神が死んだあとも、宗教はなくならないのだな。」
「神が死んでも宗教は死なないのさ。人間の中に狂い続けたい気持ちがある限り宗教は死なない。(・・・中略・・・。)」
「おれたちは、永遠に、ちょっぴり狂っていると考えればいいのさ。おれたちはファシズムから抜け出した。しかしそれはたまねぎの皮を一枚むいたということか。そして、これからも、狂気に気がついたら、また、その皮をむかねばならないということさ。」
何百年後の未来から、現代を見直したとき、きっと「今」は、資本主義に狂っていた時代と言われるのではないでしょうか。
この資本主義の狂の時代も終わろうとしているようです。というか、そろそろ終わりにしないと とんでもないことになります。
だけど、世間は、まだ資本主義に狂っていたいようです。いや、狂っていることに気がつきたくないようです。
私見ですが、国家として、資本主義の狂に最初に気がつくのは『日本』ではないかと思っています。
が、気がついても、今のままでは、周りにあわせて、狂ったふりを続けて、破滅の道を一緒にたどってっちゃうようにも思うのです。
そろそろ、私たちは、次の新しい狂を生み出さないといけないのかもしれません。
悲しいかな、私たちは、狂をもってしか時代を転換できそうにもありませんから。
<オススメ度 ★★★★>
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